経済産業省調達価格等算定委員会より2021年度及び2022年度(令和3年度及び4年度)の太陽光買取価格の委員長案が発表されました。
[買取価格の委員長案]
◆10kW未満:2021年度19円/kWh(税込)、 2022年度17円/kWh(税込)
◆10~50kW:2021年度12円/kWh + 税、 2022年度11円/kWh + 税
【解説】
今年は、令和3年度と4年度の買取価格が同時に発表されました。
3月末までに経済産業⼤⾂承認の正式価格が決定しますが、例年、委員⻑案がそのまま適⽤されています。
奈良県高市郡高取町の南法華寺では1983年、照明用としてシャープ製の太陽発電を40枚設置。
以来30年以上、大観音石像を照らし続けてきました。
設置から28年が経った2011年に信越科学が太陽光パネルを一時的に取り外し、精密検査を行ったところ、全40枚のパネルの発電出力の低下率平均はたったの6.43%との結果が公表されています。
その際、発電出力が20%以上低下していたパネルは2枚あったようですが、検査結果はメーカーにも共有され、劣化原因は対策されています。
また、検査されたパネルは全て南法華寺へ戻され、2023年の設置40年調査に向けて今日も電気を作り続けています。
1984年に千葉県「佐倉ソーラーエネルギーセンター」に太陽光発電が設置されました。
使用している太陽光パネルは京セラ製。
定期的に発電出力の検査を実施しており、設置から31年が経過した2015年の結果では低下率はわずか13%となっています。
この数値は実際に測定した数値に測定精度やばらつきなど様々な外的要因を加味して算定されているようです。
1966年、世界で初めて太陽光発電を電源装置として離島の灯台に設置、無人化に成功したのが長崎県にある「尾上島灯台」です。
シャープ製の太陽光パネルを設置しています。
12年後の1978年に強風や塩害の対策を施したパネルへと交換、31年後の2009年に灯台のライト交換と同時にパネルも当時の最新式に交換をしています。
灯台に太陽光発電が設置されて以降、日本中の灯台へ徐々に太陽光発電が設置・無人化されていきます。
2006年、遂に最後の有人灯台であった長崎県「女島灯台」へシャープ製太陽光発電が設置され、日本の灯台は全て無人灯台となりました。
長期間に渡り安定して電気を供給できる太陽光発電を採用したことで、特に尾上島灯台のような離島灯台で使用される発電用の石油使用量は大幅に削減されました。